マンション管理会社に相談しても無駄
マンションでの隣人からの騒音問題に悩んだ時、最初に試すのはマンション管理会社に相談するところから始まると思うんですが、しかしこの方法はほぼ効果がありません。というのも、マンション管理会社が行う対策の殆どは、チラシを作って各部屋に配るぐらい。
「マンションは構造によって上からの騒音だと思っても、横の部屋だったり、下の部屋だったりすることもある」
というのが、マンション管理会社の言い分で、確かにそういうこともあるとは思います。でもさすがに天井からの直接的な足音は上階からでは??
いやでもそういった訳で、マンションの管理会社への苦情の申し立てはあまりうまく行く試しがありませんでした。
上階に直接苦情を言っても解決しない
あまりにも音がひどいときには、上階に直接苦情を言いに行くのはあまり効果が期待できません。
騒音問題と言っても、騒音を出している住人からしてみればその音は普通の生活音だという認識でしかないので、それを直接「うるさいから静かにしてほしい」と伝えても、言われた側からすれば自分の生活を否定されているのと同じことなので、気が強い性格の相手の場合、トラブルになる可能性も高くなってきます。
また、苦情を言いに行って「すいません」と最初に受け入れてくれたとしても、その効果は1日程度は続くかもしれないけれど、すぐにまた同じようにドタドタと騒音が発生してくるようになります。そうしてまた苦情を言いに行くと、生活音は仕方がないと開き直りをしてきたりもしてしまいます。
私の場合も、何度か上階に苦情を言いに行くうちに、だんだん上階の住人が開き直り始め「子供が小さいのに音を出さないようにするなんて無理!」とか言い始めて口論にもなりました。そんなトラブルが断続的に続いていく中で、結局、子供が幼稚園から小学校に行くようになって、騒音は更にうるさくなっていくのです。
「子供が小さいから無理っていったのに大きくなって更に酷いってどうなの?」
とツッコミ満開な気持ちになりましたが、結局のところ、こちらが苦情を言いにいって改善してくれる人というのは、もとから他人に対して気配りしてくれる人なので、最初からそんな人は騒音問題を引き起こしません。
騒音トラブルになっているということは上階の人は下の階に住んでいる他人には無関心で、自分の行動が他人に迷惑をかけているかどうかなんて気に止めることは無いのです。腹をくくってケンカ覚悟で行ったところで、その労力は無駄になってしまうことも多く、逆に上階の人が切れて騒音が更に激しくなってしまう可能性も否定できません。
警察に通報するのは?
「もうこの騒音には耐えられない!」
そう思って警察に通報するのもありかもしれませんが、警察に通報しても基本的には「注意」だけで終わるため、その後、自分が出している音に注意するかどうかは、その隣人にかかっているわけです。
自分が直接言いに行くよりも警察に注意してもらったほうが抑止力が強いとは思いますが、例えば騒音の出どころが子供だった場合、警察に「子供の足音はどうしようもない」と上階の人が言ってしまえば、それ以上警察も言いようが無いわけです。
もちろん夜中の睡眠を脅かすほどのヤバい騒音なら、その音を録音してデシベルを調べてデータを添えて、警察や裁判所に訴えれば闘えるかもしれませんが、よくある騒音問題の音というのは、かかとから踏みつけて歩く「踵歩き」や「子供が暴れて走り回る音」など、鈍く響く衝撃音の生活音がほとんど。そういった音に対してどこまで警察が踏み込めるのか、なかなか難しいものがあるように思います。
隣人の騒音問題の一番確実な解決方法
そんな悩ましく、精神を削られるマンション・アパートの隣人からの騒音問題。私も数年間悩まされ続けて、何をやっても解決しなかったこの問題を「あること」で解決することが出来ました。それは…
「引っ越し」です。
えぇ!?引越し?!と思ったと思いますが(笑)、そう引っ越しです。騒音問題を確実に解決する方法は引っ越し以外に無いと思います。
騒音を出している他人を自分が変えることは非常に難しい。しかし、自分の環境は自らが行動することで変えることができるのです。
注意しても変わるかどうかわからない人に声を荒げるよりも、自分がその場所から身を引くことで隣人からの騒音問題は解決します。
「うるさくしているのは相手なのに、どうして自分が高いお金を払って引っ越しをしなくてはいけないの?」
自分から移動するのは負けた気持ちになって悔しいかもしれません。実際、私も引っ越しを決心するまではそう思っていました。でも、引っ越しをすると決めて本当に実行に移し始めると、驚くほど心が軽くなっていったのです。
もちろんあなたは悪くない。悪いのは上の人なのに自分が引越したくない気持ちもよく分かります。
でも、落ち着いて想像してみてください。うるさくて嫌な他人が住んでいる下に今の自分が住んでいるという状況を。
毎日毎日、ノイローゼになりそうな音の下で生活している自分を客観的に想像したら、お金を出してでも救い出したいと思いませんか?
もしもこの「ドンドン」という上階からの騒音が無い毎日が訪れたとしたら、それは何ものにも代えがたい幸せではないでしょうか。
もちろん引っ越しするには、少なくても20万円~30万円の資金は必要となってきます。しかし、引越し先で数年間暮らすことを考えれば、引越し費用の負担というのは1ヶ月あたり数千円程度です。
お金を出して騒音の無い場所で暮らし始めるか、それとも耐え忍んで今の騒音の下で暮らしていくか。両者を天秤にかけた時、私は迷わず家を引っ越すことに決めました。
引っ越し先の新居選びの注意点
騒音問題の無い新しい生活へ向けて引っ越しを決意したら、次に住む部屋はできるだけ騒音問題の起こりにくい環境の部屋を選択しましょう。騒音問題が起こりにくい部屋は…
- マンションの最上階
- 角部屋
- 防音対策がされている築年数の浅い鉄筋コンクリートの物件
- 住宅密集エリアではない一軒家
などなど。また物件を選ぶ際は、部屋の中を見るだけでなく、周りの環境や隣にどんな人が住んでいるのかなどのリサーチも可能な限り行ってみましょう。
もちろんすべてが完璧な物件というのは見つけにくいと思いますが、できれば避けたい物件は、マンションなら最上階から一つ下の階の物件です。5階建てだとしたら4階、4階建てだとしたら3階というように『最上階の1つ下の階』は避けたほうが良いです。
その理由は「最上階に住んでいる人は上からの騒音が無いので自分が出す音に無頓着になりやすい」から。私も上階からの騒音問題から逃げて、現在はマンションの最上階の部屋に住んでいますが、隣人には「これは下階の人大変だろうな」と思うような家族の部屋もあったりします。
新しく住む物件がどういう環境なのかというのは実際にそこに住んでみないとわかりません。でもせっかく騒音問題から離れるために引っ越しをするのだから、できるだけ騒音トラブルの確率を下げるためにも、お部屋選びは慎重に決める必要があります。
マンション上階からの騒音問題の解決方法
マンションなどの集合住宅でよくある上階などの隣人からの騒音問題。頭を悩ませるこの騒音トラブルを解決する確実で唯一の方法は「引っ越し」することです。
この世の中、自分のために他人を変えることは非常に難しいですが、自分を変えることは思い立てばすぐに出来ます。自分勝手に騒音を立てている隣人に、いつか変わってくれるかもしれないと願い続けるよりも、自分から一刻も早くその場を離れるほうが幸せになれます。
マンションなどで上階からの騒音問題は、上階の人が物理的にも精神的にも有利な状況で、下の階の人は勝ち目がほとんどありません。
自分ではどうしようもない「騒音」を生活から取り払うために引っ越しをして新しい生活を歩み始める。それが、このマンションの上階からの騒音問題を解決する最も有効な手段だと、実際に騒音問題に長年悩み続けて引っ越しをして確信しました。
私のように、同じく上階からの騒音問題に悩んでいる人に、この解決策がひとつの突破口になることを祈っています。